« November 2005 | Main | January 2006 »

December 06, 2005

忘れられない仕事

   「運築(うんちく)川柳・狂歌」

     ”ありがとうの 言葉を残し 逝ったひと”

 小さな吹けば飛ぶよな会社ですが、会社を始めて早8年。
9年目を迎えています。
 ここまで来られたのは、お客様初め家族・多くの
友人達のお陰だと思っております。
 多くのお客様との出会いがあり、その中に
一生忘れられない、忘れてはいけないお客様との出会い
がありました。

 「便利屋奮闘記」も、なんとか100回を迎える事が
できました。100回を記念して、今日はそんなお話です。


     「忘れられない仕事」


 ようやくお客さまも少しずつ増え始めた、
会社創業3年目の5月の事。
 元気のない声で、一本の電話が入りました。
  「あの~。ちょっとお願いしたい事があるのですが・・」
     「病院に入院するので、手伝っていただきたいのですが・・」
         「そんな仕事もしていただけるのですか?」
 とのお電話でした。
   『はい。もちろん大丈夫です!』と、
 お答えして、日にちと時間と場所をお聞きする。
  でもまてよ。行く病院が癌センター・・・・

 当日お客様宅に伺うと、まだ入院の用意ができていない。
身体がつらくてあまり動けない、と言う。
 入院の用意を手伝いながら、お客様のお話を伺う。
 Kさんは、年齢が私と同じ事。横浜のデパートのブティックで、
トップセールスウーマンだった事。
 突然の肺ガンの発病と、それが骨髄に転移して
余命3ヶ月と言われた事などなど・・・
 とてもショックなお話ではあったのですが、ただただ
お聞きするだけで、仕事としてさせていただきました。

 それから何度かの入退院を繰り返し、その度に
お手伝いさせていただきました。
 時として、5階のマンションの部屋まで、足腰の
弱くなったお客様をおぶってお連れした事もあります。
 役所まで、介護の依頼にも代理で行きました。
でも、あくまで私の気持ちは仕事として
させていただいていたのです。
 ですから、他の仕事が入っている時には、ご依頼を
お断りする事もありました。

 余命3ヶ月と言われながら、気力でがんばってその年も
越した2月の中頃の事。
 地元の病院に入院していたKさんから、電話がありました。
  「また癌センターに転院するので、手伝っていただけますか?」
 と言う、仕事のご依頼の電話でした。
予定表を見ると、その日のその時間は他の仕事が入っている。
申し訳ないが、仕方ない。
   『すみません!その日のその時間は仕事が入っていて・・』
 とお断りしたのです。
その転院が癌センターの「ホスピス」である事を知ったのは、
しばらく後の事でした。

 Kさんの事も忘れかけていた3月始めのある日の午後。
事務所でくつろいでいた時、一本の電話が入りました。
 聞きなれない声でした。
   「あの、Kさんにお願いされて電話しているのですが、
          Kさんが貴方とお話したいと言うので代わります。」
 との、Kさんが入院している病院の看護婦さんからの電話でした。

     (え、Kさん?どうしたのだろう?)
 と電話に出ると、Kさんの辛そうな声が・・・
   「柏崎さん。私いま癌センターのホスピスに入院しているの」
        「柏崎さんに一言お礼が言いたくて・・・」
     「いろいろと親切にしてくれて、ありがとう。とても嬉しかったわ」
 と・・・

 一瞬、頭の中が真っ白になり、何を言っていいのか解りませんでした。
「ホスピス」からの電話。それは、もう自分の最後を覚悟した電話です。
 ただ『元気を出してください!』とか、言えませんでした。
そして電話は切れました。

 慌てて次の日の朝、病院のホスピスまでお見舞いに駆けつけると・・
  付き添いをしていた、遠くに住むお姉さんが出ていらっしゃり
  「Kから柏崎さんのお話は聞いています。
        いろいろとお世話になり、ありがとうございました。」
    「今Kは、薬で眠っています。お会いできなくてすみません。」
 ガンの激しい痛みから、痛み止めの薬で眠っているようでした。
もし目が醒めたら、「元気になってください」との伝言を頼んで
後ろ髪を引かれる思いで帰宅しました。

 それから三日後、事務所に電話が入りました。
  「Kの娘のMですが、母が昨日亡くなりました。」
    「何かあったら柏崎さんに相談するように、と
             言われておりましたので・・・」
  「母が大変にお世話になりました。ありがとうございます。
        また落ち着いたら、後日電話させていただきます。」
 とのお電話でした。

  その夜、私は眠れませんでした。
 俺は仕事として、Kさんの用事をさせていただいていた。
亡くなる直前に感謝の電話をもらうほどの事はしていない・・・
 なんであの時(ホスピスに転院する時)、仕事を変更してでも
Kさんについていってあげなかったのか・・・
 Kさんは、俺に一緒にホスピスに行って欲しかったのに・・・
俺は、そんなにKさんに感謝されるような事はしていないのに。
仕事としてしか、していなかったのに・・・
 もう後悔の連続でした。

 あの時の「ありがとう」の言葉は、今も忘れません。
それ以来、どんな仕事も、どのようなお客様にも、
心を込めて「一期一会」の気持ちで接しさせていただいて
おります。
 でも人間、忘れやすいもの。特に私は。
時として、仕事が雑になる事が・・・
 そんな時に、あの時のKさんの「ありがとう」を
思い出します。
 きっと生涯忘れられない言葉です。

 またまた長くなり、申し訳ございませんでした。
お付き合い、ありがとうございました。

   「追伸」

 この「便利屋奮闘記」もお陰さまで100号を迎える事が
できました。
 いつまで続くのだろう?こんな日誌だれも読んでくれない
だろう?などど思っておりましたが、一年近く続ける事ができました。
 その間。足の骨折をしたり、気持ちが落ち込んで書けなく
なったり、ブログにしたのを縁に新聞に掲載されたり・・・
 ここまで続けてこられましたのも、多くの皆様の
応援・励ましのお便りをいただけたからです。
 本当に心より感謝いたします。ありがとうございました。

 100号を機会に、ちょっとお休みしようかな・・
などとも思いましたが、様々な仕事から多くの学びを
いただいております。
 その事を知っていただくのも、私の役目かな、とも
思い、休み休みになるかもしれませんが、まだしばらく
は続けさせていただきます。
 いつもいつも長文で、ご迷惑をお掛けいたします。
100号までお付き合いいただき、誠にありがとう
ございました。
 心より、御礼申し上げます。ありがとうございました。


<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

   困った時にはいつでも電話
       生活代行サービス”便利屋”
          有限会社 ワン・ツウ・ワン

             代表取締役 柏崎 房男

    〒270-1168 千葉県我孫子市根戸903-13
            TEL 04-7181-3751  FAX 04-7181-3752
   E-mail info@benriya1-2-1.com
     
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

ホームページ  http://www.benriya1-2-1.com  
  
プログ
 《天職・感動 便利屋奮闘記》 http://one-two-one.cocolog-nifty.com/
       
   ”いい人ネット”全国展開構築中
         参加者(手出し・口出し・顔出す)仲間募集中です!!
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

| | Comments (1) | TrackBack (0)

« November 2005 | Main | January 2006 »